大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和31(あ)1104 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人大塚喜一郎の上告趣意第一点は、単なる訴訟法違反の主張であつて、刑訴

四〇五条の上告理由に当らない。(検察官が捜査のため必要があるものとして刑訴

三九条三項により被疑者と弁護人との接見につき、その日時及び時間を指定するに

は、被疑者が防禦の準備をする権利を不当に制限してはならないことは、右条項の

明らかに規定するところであり、それは憲法三四条の趣旨にも合致するところであ

る。されば検察官のなす右接見の指定が適切を欠き被疑者の防禦権を不当に制限す

る場合には、その指定は違法となり、時には被疑者の供述の任意性を疑わしめるよ

うな状況を生じさせる場合もあり得る。しかし右指定の不服申立については別に救

済手続も認められているのであり〔刑訴四三〇条以下〕右指定の不当不法は、常に

必ず被疑者の供述の任意性を疑わしめその証拠能力を当然に失わしめるものという

ことはできないのであつて、その任意性の有無は、その供述をした当時の情況に照

してこれを判断すべきものである〔昭和二五年(あ)第一六五七号、同二八年七月

一〇日、第二小法廷判決、集七巻七号一四七四頁参照〕。本件において、原審が所

論Aの検察官に対する各供述調書につき、その供述の任意性を肯定し、同調書記載

の供述を同人の公判期日における供述よりも信用すべき特別の情況が存すると認め

たのは、記録に徴し相当であるから、原判決には所論の違法は存しない。)

同第二点は量刑不当の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお

り決定する。

昭和三一年一〇月一六日

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最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 垂 水 克 己

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